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【投資信託の選び方】初心者でも失敗しないための3つのステップと重要ポイント

イントロダクション:選択肢の多さに迷わないために

NISAやiDeCoで資産形成を始めようと決意したものの、いざ投資信託を選ぼうとすると、その種類の多さに圧倒されてしまう。そんな経験をお持ちの方は少なくないでしょう。日本国内だけでも、実に数千本もの投資信託が販売されており、初心者の方が「どれを選べばいいの?」と迷ってしまうのは当然のことです。

しかし、安心してください。投資信託選びには、明確な「型」があります。この記事では、初心者の方でも失敗しないための3つのステップと、選ぶ際に必ずチェックすべき重要ポイントを、分かりやすく解説します。この記事を読み終える頃には、自分に合った投資信託を自信を持って選べるようになっているはずです。

STEP1:投資信託の基本タイプを理解する「インデックス」か「アクティブ」か

投資信託選びの最初のステップは、大きく二つのタイプのどちらを選ぶかを決めることです。それが「インデックスファンド」と「アクティブファンド」です。

インデックスファンドは、日経平均株価やS&P500といった、特定の市場の動きを示す「指数(インデックス)」に連動することを目指す投資信託です。市場の平均点を取りにいくイメージで、運用コストが低く、値動きも分かりやすいため、初心者の方に非常に適しています。一方で、市場平均を大きく上回るリターンは期待できません。

アクティブファンドは、プロのファンドマネージャーが独自の調査と分析に基づいて銘柄を選び、市場平均を上回るリターンを目指す投資信託です。うまくいけば大きなリターンが期待できますが、運用コストが高く、実際には多くのアクティブファンドがインデックスファンドに負けているという現実もあります。

初心者の方へのアドバイスとしては、まずは低コストで分かりやすいインデックスファンドから始めるのが王道です。投資に慣れてきて、より積極的なリターンを狙いたくなったら、資産の一部をアクティブファンドに振り向ける、という戦略が賢明でしょう。

STEP2:投資対象(アセットクラス)を決定する

次のステップは、「何に投資するか」、つまり投資対象となる資産の種類(アセットクラス)を決めることです。

主な投資対象としては、株式債券、そしてそれらを組み合わせたバランスファンドがあります。株式はハイリスク・ハイリターンで、経済成長の恩恵を受けやすい資産です。国内株式、先進国株式、新興国株式など、地域によってもリスクとリターンは異なります。一方、債券はローリスク・ローリターンで、安定した利息収入が期待できる資産です。バランスファンドは、これらを組み合わせて自動的に分散投資してくれる、いわば「おまかせ型」です。

初心者の方に特におすすめなのは、長期的な成長が期待できる株式への投資です。中でも、世界中の株式に分散投資できる「全世界株式(オール・カントリー、通称オルカン)」や、アメリカの代表的な企業500社に投資する「米国株式(S&P500)」は、多くの投資家から支持されている定番の選択肢です。

STEP3:具体的なファンドを3つのポイントで絞り込む

投資のタイプと対象が決まったら、最後に具体的なファンドを絞り込みます。ここで必ずチェックすべき3つのポイントがあります。

ポイント内容目安
手数料(信託報酬)保有している間ずっとかかるコスト。低ければ低いほど良い。インデックスファンドなら年率0.2%以下
純資産総額ファンドの規模。大きく、増え続けているものが安定的。最低でも100億円以上、右肩上がりが理想
運用実績(トータルリターン)過去のパフォーマンス。ベンチマークとの比較も重要。3年以上の実績があるものを参考に

特に手数料(信託報酬)は、長期投資において非常に重要です。年率0.1%の違いでも、20年、30年と保有すれば、最終的なリターンに大きな差が生まれます。また、純資産総額が小さすぎるファンドは、運用が不安定になったり、最悪の場合、償還(運用終了)されるリスクもあるため、注意が必要です。

やってはいけない!投資信託選びの注意点

最後に、初心者の方が陥りがちな失敗パターンを紹介します。

まず、銀行や証券会社の窓口で「おすすめです」と言われるがままに購入するのは避けましょう。窓口で勧められる商品は、金融機関にとって手数料収入が大きい商品である場合が多く、必ずしもあなたにとって最適とは限りません。また、ランキング上位というだけで安易に飛びつくのも危険です。短期的に人気が集まっているだけで、長期的なパフォーマンスが保証されているわけではありません。

さらに、「毎月分配型」のファンドも、基本的には避けるべきです。毎月お金がもらえると聞くと魅力的に感じるかもしれませんが、分配金は運用資産を取り崩して支払われるため、複利効果が得にくく、長期的な資産形成には不向きです。

まとめ:シンプルな基準で、賢い選択を

投資信託選びは、一見複雑に見えますが、実は「インデックスかアクティブか」「何に投資するか」「具体的なファンドの絞り込み」という3つのステップで整理できます。

初心者の方は、「低コストなインデックスファンド」で「全世界株式か米国株式」に投資するのが基本戦略です。そして、手数料と純資産総額をしっかりチェックすることで、後悔のないファンド選びができるはずです。

この記事で紹介したポイントを押さえて、あなた自身の資産形成の第一歩を、自信を持って踏み出してください。